東日本大震災 まず私達が元気よく…被災児童が学校新聞

毎日新聞 2011年4月16日

大震災で多くの児童が被災し、現在も150人の町民らが避難する岩手県山田町立大沢小学校で、被災児童が復興への思いやボランティアへの感謝などをつづった学校新聞「海よ光れ」を作った。月1回発行を続けている新聞の78号で、児童は「『自分たちができることをしよう』とみんなに伝えたかった」という。始業式の19日、全校児童や卒業生、避難所で暮らす被災者に配布する。

◇岩手・山田町立大沢小の「海よ光れ」

トップ記事には「負けるな よみがえれ 大沢の海よ光れ!」の見出しが躍る。担当した大川海成(かいせい)君(12)は「大津波に遭った怖さを書こうとしたけど、最初は何も頭に浮かばなかった」と話す。家は100メートル以上流され、親戚方に家族で身を寄せる。何度も原稿を書き直し、転校した友達にも触れながら「大沢の人達が元気を出せるようにまず私達が元気よく明るく生活しましょう」とまとめた。

「海よ光れ」は04年創刊され、津波に苦しみながら捕鯨などで海と共生してきた歴史を伝える学校劇から名前を取った。児童が編集方針から取材、割り付けなどもし、全国小・中学校・PTA新聞コンクール(毎日新聞社など主催)で全国上位受賞を続ける。
 震災前には6年生の卒業を特集する78号を準備していたが、「新年度に力を与える新聞を作ろう」(指導する佐藤はるみ教諭)と学校や付近に避難する前児童会メンバー4人が集まった。大沢小で避難生活を送る6年、福士悠太君(11)は避難者への思いやりを訴える記事を書いた。「太陽の光できらきらしている大沢の海が大好き。元気で明るい大沢であるように僕たちも頑張りたい」と話す。【林哲平】

子供たちの心の美しさ、優しさ、健気さに大人はかなわない。今一番がんばっているのは子供たちだと思う。