「いのちの輝き感じるかい―「牛が拓く牧場」から」 斉藤 晶著

いのちの輝き感じるかい―「牛が拓く牧場」から
斎藤 晶 斎藤 均 稲田 芳弘
地湧社
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(アマゾンでの著者紹介文)「1928年、山形県生まれ。’47年、開拓農民として単身、北海道旭川市神居町に入植。笹と石だらけの山で開拓農業にいきづまり、自然に対する発想を転換して酪農に転向。牛と牧草と雑草の生態を生かした蹄耕法による自然流酪農を確立。現在、130ヘクタールの土地に130頭の牛を飼う。」


奇跡のリンゴ」の木村さんの本に紹介されていた人。 全てのページにカラ―写真が入っていて、文章は少ないが、写真も文章も素晴らしい。 斉藤さんの顔のしわがたまらなくいい。 斉藤さんの"つぶやき"みたいな感じの言葉だが、全てが自分の経験、人生を通して得た実感の伴う言葉なんだと伝わってくる。


木村さんも斉藤さんも、自然と格闘し抜いて、最後には人間も動物も植物も「全体」の「一部」だと気がついたのだろうか、と思う。 お二人の農業や酪農の在り方には「管理」がない。 「管理する」という発想がない。 あるとしたら「リンゴが身をつけるのを手伝う」「牛の邪魔をしない」といった脇役の感じすら受ける。