銀輪の死角

毎日jp

自転車事故の7割超が交差点に集中し、その主要因は自転車の歩道走行にあるという分析結果が明らかになった。国内の自転車乗用中の死者は年間1000人近くで先進国の中で突出。欧州各国では道路幅が狭くても交差点付近の車道に自転車用通路を確保するなど対策が進んでおり、国内でも同様の対策が急務となっている。【馬場直子、北村和巳】


 元建設官僚で住信基礎研究所研究理事の古倉宗治氏によると、車のドライバーにとって自転車の歩道走行は街路樹などで死角となるだけでなく、自転車の存在感を薄れさせる「心理的死角」を生む。自転車の利用者も車への意識がにぶるという。このため、車道より歩道を走行する自転車の方が事故に遭う確率が高い、というのが古倉氏の分析だ。


 自転車の歩道走行は交通事故死者が史上最悪になった70年、車との接触事故を減らすため例外的に導入された。だが、40年余を経た現在、逆に事故多発の要因になるという事態が生じている。


国内での自転車乗用中の死者(事故後30日以内)は、80年の1366人から08年は971人と約3割減だが、同期間にフランスは715人から148人へと約8割も減少。英国やドイツ、オランダも3分の1近くに減り、先進国の中で日本の死者は飛び抜けて多い。


 欧州では自転車の車道走行を徹底する。さらにロンドンなどの主要都市では、自転車用通路を設置できるほど道路幅が広くなくても交差点やその付近にだけ車道に自転車のマークを付けて通行部分を明示したり、車の停止線の前に自転車の停止位置を設けている。古倉氏は「こうした先進事例は日本でも参考になる。自転車の存在を認識させることで事故は大幅に減らせる」と指摘している。

最近車を運転していて、自転車が急に視界に入る事が多い。 歩道から車道へ急に出てこられるとびっくりするし、よけようとして隣の車線の車に当たりそうになったこともあった。 自転車は分類の上では、「車」になるが、「歩行者」に近い感覚で乗っている人も多いのではないか。 事故がおこれば自動車が凶器になる。 事故防止のための手段は是非取りいれて欲しい。