「地球動物記 (写真記シリーズ)」 岩合 光昭著

地球動物記 (写真記シリーズ)
岩合 光昭
福音館書店
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どっしりと重い本だが、このぐらいの大きさ、ページ数は最低限必要なのだろう。 著者の岩合さんにしてみれば、これでも足りないぐらいなんだろうと感じる。 地球は無数の命が暮らす場所だ。 どの生物も地球を所有はできないはずだ。 なぜ人間は自分たちが家主のように振る舞うことができるのか。 


どの動物も美しい。 子供は可愛いし、親達からは愛情が伝わる。 自然に溶け込み、ありのままに暮らす。 いつ殺されて食べられるかわからない中、一瞬一瞬を十全に生きている、という感じがする。 この写真集を一通り見て、動物には「卑しさ」がないなぁと思った。 人間は複雑すぎるのだろうか?  


随分昔のことになるが、家で文鳥を飼っていた。 卵から雛が数羽かえったので、一羽だけ手乗りにしようと思った父が、雛たちのいる巣の方へ手を伸ばした時、母鳥がものすごい勢いで父の手をつつき血だらけになったことがあった。 (まぁ自業自得だけど。。) 手のひらにおさまるぐらいの鳥が人間をつついた所で勝ち目はないし、もしかすると命取りになる。 が、親鳥はそんなことあれこれ考えず、文字通り命がけで雛を守る。 私は同じ事をするだろうか? 例え刺し違えても子供を守るぐらいの覚悟でいるだろうか? 動物に教わることは多い。