ソマリア:最悪の人道的危機、緊急援助の拡大を

国境なき医師団(MSF)

国境なき医師団への寄付はオンラインで1000円から可能。

アフリカ北東部「アフリカの角」にあるソマリアでは、子どもの栄養失調が深刻化している。 国境なき医師団(MSF)は現在、同国や近隣国で重度の栄養失調児1万人以上を治療しているが、昨年と比べて患者が7倍に増加した地域もある。 MSFは、ソマリア国内における独立した援助の拡大を阻む要因を解消し、援助を強化するために、緊急に具体的な措置を講じるよう、ソマリア、近隣諸国ならびに国際社会に対して訴える。

ソマリア国内では、充分な援助を受けることが難しいため、多くの人びとは隣国ケニアエチオピアにある難民キャンプへと脱出し、庇護(ひご)を求めている。 現地で活動しているMSFのチームによると、新たにキャンプへ到着した人びとのうち、3人に1人の子どもは急性の栄養失調を患っているなど、この病気への罹患(りかん)率が非常に高い現状が報告されている。


ケニア北東部のダダーブやエチオピア南東部のドロ・アドにある難民キャンプは、長期にわたり多くの人びとを受け入れ続けた結果、現在は人口過密で混乱した状態に陥っている。 また、ケニアソマリア間の国境の閉鎖や、キャンプでの新規受け入れ時に事務手続きが遅れるなど問題が山積しており、人びとは十分な援助が得られずにいる。


MSFのオペレーションディレクター、クレマン・カブロルはこう説明する。 「ソマリアから逃れてくる人びとの大半を受け入れているケニアエチオピア両国は、キャンプを増設し、既存の施設を改善する必要があります。 しかし、国際社会もまた、ソマリアから逃れてくる人びとが、迅速な事務手続きのもとに適切な食糧援助を受け、難民キャンプの中に居住できるよう、責任の一端を担うべきです。 現在、役所の都合による制限で、人びとへの援助は必要以上に遅れています。今すぐに、すべての手段を講じて、緊急事態に対応しなければなりません」

MSFは、ソマリア国内8ヵ所で、1991年から無償で医療を提供している。 1400人以上のソマリア人スタッフと、ナイロビに駐在する約100人のスタッフが、一次医療、栄養治療、外科治療と避難民の人びとへの医療・人道援助を提供している。また、同国中南部の9ヵ所では、水と衛生に関する援助を提供している。 MSFの、ソマリアでの活動費はすべて民間からの拠出で支えられており、いかなる機関もしくは政府による資金援助も受けていない。

アフリカをメインに活動しているジャーナリスト、下村靖樹氏のツイートより:

7月13日−現在ソマリアでは大規模な干ばつにより多くの人々が亡くなっています。史上最悪といわれる今回の干ばつは首都モガディシュを含む同国全土に大規模な被害を与え、暫定政府・AU軍と戦闘中のアルシャバブでさえ一部のグループはムスリム・非ムスリム問わず援助団体を受け入れると表明しています。


7月15日−前のツイートで書いたソマリアの干ばつ。その深刻さに異例の非ムスリム援助団体の受入れを表明したアルシャバブだったのですが、ソマリア南部の都市バイドアで、残念ながらユニセフ赤十字のスタッフを拘束したそうです。拘束された方々は現在も行方不明。一刻も早い解放と無事を心から祈ります。