ソマリア首都に避難民10万人=干ばつで食料不足深刻に―国連

時事通信
 

7月26日時事通信
ジュネーブ時事】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は26日、アフリカ東北部の干ばつを受け、深刻な食料不足に見舞われているソマリアの各地から首都モガディシオに集まった避難民が過去2カ月間で10万人規模に達したことを明らかにした。避難民の数は毎日約1000人ずつ増えており、早急な支援が必要だとしている。


 大規模な食料不足はソマリアと周辺国で発生、国連はソマリア南部に飢饉(ききん)宣言を出した。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、食料支援が必要な人口は同国だけで370万人に上り、ケニアエチオピアジブチを含めた4カ国では約1150万人に達している。


 世界食糧計画(WFP)は同日、ソマリアに食料や水など生活物資を空輸する予定。しかし同国ではイスラム武装勢力アッシャバーブが支援活動を妨げているといい、避難民キャンプに物資を速やかに届けることが課題となっている。 

7月21日時事通信
ジュネーブ時事】国連は20日、深刻な干ばつが続くソマリア南部の2地域で飢饉(ききん)が発生したと宣言、国際社会に食料などの緊急援助を訴えた。ジュネーブで記者会見したアモス人道問題担当事務次長は「危機的な栄養失調が広がっている」と被害拡大に危機感を表明した。


 干ばつはソマリアケニアエチオピアジブチの「アフリカの角」と呼ばれる一帯で発生。被害は過去約60年で最悪とされ、国連人道問題調整事務所(OCHA)によると1150万人が深刻な食料不足に苦しんでいる。


 特に被害が深刻なのは内戦で荒廃したソマリア。国連によると、飢饉宣言が出された南部のバクールとシェベリ川下流地域では、子どもの急性栄養失調率は国連が飢饉の判断基準とする「30%超」となっているほか、1日当たりの死亡率も一部地域で人口1万人中6人を超えているという。

(7月21日CNNニュースより)
国連ソマリア人道調整官のマーク・ボーデン氏はケニアの首都ナイロビで記者会見し、「われわれが今行動しなければ、不作と感染症の流行により、あと2カ月でソマリア南部の全8地域に飢饉が広がる」「既に数万人が死亡した可能性がある。そのほとんどは子供だ」と危機感を示した。


同氏によれば、ソマリアでは国民のほぼ半数が危機的状況にあり、今後2カ月で約3億ドルの援助を必要としている。「援助が1日遅れれば、飢餓状態にある子供たちとその家族にとって、文字通り生きるか死ぬかの問題になる」と同氏。援助関係者によると、現状は約100万人が死亡した1980年代半ばのエチオピアの飢饉以来の危機的状況だという。


国連は飢えの程度を5段階で定義しており、飢饉はその中で最も深刻な第5段階となる。これは急性の栄養失調にかかる率が30%を超え、必要量の食事や水が摂取できず、1日に1万人のうち大人2人または子供4人以上が死亡している状態を指す。