ワタミ渡辺氏 若者は働くほど国にお金を取られると指摘する

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野田政権が打ち出す社会保障と税の政策は、「金の卵を産む鶏を殺すもの」だといえます。


国が年金保険料や税金を徴収すること自体は悪いことではありません。 北欧の国々では、国民は貯金をする感覚で社会保障費や税金を納めます。 リタイア時に本人に貯金がなくても、「これからは国に養ってもらえる」となる。 それが、働けば幸せになれるという意識に繋がり、労働意欲をかき立てます。


しかし、日本では若い人が働けば働くほど国にお金を取られ、それが還元されません。 若い人のお金は高齢者に回り、自分は将来、年金を受け取れないのではないかと不安を感じている。 これでは労働意欲が失われます。 とくに中流層以上が狙い撃ちされる今回の改正案では、優秀な人材の海外流出を招きかねません。


企業経営者たちはすでに日本からの脱出を図っています。 所得税の高さが理由の一つですが、現政権はさらに上げようとしている。もう一つは相続税で、世界各国で引き下げる流れがあるのに、日本では高止まりしたままです。 さらに引き上げるという議論さえ行なわれている。 これでは優秀な企業経営者は日本を離れ、彼らと一緒に会社も、優秀な人材も出て行ってしまう。


税率を下げても、優秀な人材と強い企業を招けば、経済の活性化に繋がり、結果として税収が増えるというのは世界の常識です。 だが、日本は世界と正反対に、「取りやすいところから取る」という近視眼的な政策を取っています。


若い人や優秀なビジネスマン、経営者ら「金の卵を産む鶏」を殺す政策を進めれば、日本経済は衰退するばかりです。
週刊ポスト2011年11月18日日号