「甲田式健康道決定版」より

甲田式健康道 決定版―心と体の宿便を出せば、すこやかに長生きできる! (ビタミン文庫)

  • 宿便について

甲田療法についての本の中では、「宿便は万病のもと」という考え方が繰り返し説明される。甲田先生は、宿便について、世間では「色が黒くて硬くて、二年も三年も前から腸壁にこびりついたもの」といった思い込みがあるようだが、それは違うと否定する。


腸の粘膜は新陳代謝がさかんで、3日もすれば新しいものに入れ替わるほどだから、粘膜の中でそのまま長期間こびりつくことはできない。 しかも、腸内に残留している便は、腸内細菌の出す酵素代謝を促進する物質)によって分解され、腐敗や発酵がすすむため、2週間もすれば消えてなくなる。たとえその残留物が消化の悪い食物繊維であっても、分解される。 従来は消化の悪い食物繊維は分解されず、そのまま対外へ排泄されると考えられていた。 しかし、最近の研究では食物繊維でも腸内細菌によって分解され、短鎖脂肪酸になって吸収されることがわかってきた、との事。


甲田先生による宿便の定義は「胃腸の処理能力を超えて、負担をかけ続けた場合、腸管内に渋滞する排泄内容物を総称したもの」。一私案であり、もっと適切な表現も可能であろう、と付記されている。